犬の肥満細胞腫
肥満細胞腫は犬の皮膚に一番多く発生する悪性腫瘍です。
肥満細胞は免疫細胞の一種です(肥満細胞という名称は、肥満とは関係がありません)。細胞内にヒスタミン、ヘパリン、蛋白分解酵素などの化学物質をもっており、腫瘍化した細胞はこれらが悪さをして、消化管潰瘍や血液凝固異常などの腫瘍随伴症候群を起こすことが知られています。進行例ではこれらの症候群のために命を落とすことがしばしば見られます。そのために、この病気の治療は細胞数を減らす事が重要で、可能なときはまず外科手術が選択されます。
手術後は、進行度やグレードによって、化学療法や放射線などの治療を併用します。この腫瘍の最新治療では多少コストがかかりますが、腫瘍細胞の遺伝子検査を行うことで、副作用の少ない分子標的薬を使うことができるようにもなりました。今年アメリカのFDAで動物用に初承認された分子標的薬は新聞などでも話題がありました(国内はまだ未承認)。
いずれにしても、しこりがあるせいで吐き気などが止まらなくなることが起こりうる腫瘍です。こんなことも起こり得ますので、知らないいぼが見つかったりしてしまった場合には、動物病院で早めに検査を受けさせてあげてくださいね。

遺伝子検査の一部です。
















